朝のウォーキングで時々出会う熟年のご夫妻がいる。妻は右手に白い杖を持ち、左手をしっかりと夫の左腕にからませて歩いている。両足を前に出すテンポ、歩幅がぴったり合っていて、時に声を掛け合いながら一緒に歩くご夫妻の姿はとても美しい。お会いするたびに「すごいなぁ」と思っていたら、今回のパラリンピックの陸上競技でガイドランナーなる方たちの存在と働きを知った。短距離を走るランナーとガイドランナーが歩幅もスピードも寸分狂わずにシンクロして疾走する姿に「すごい！」と感嘆させられたし、マラソンの長距離を、時に笑顔を交わしながら声を掛け合い走り続けるランナーとガイドランナーの姿からはその信頼の絆の深さが伝わってきて、大きな感銘を受けた。女子マラソンの最年長選手である西島さんが「地元福井の『楽障クラブ』という同好会の仲間たちが毎日伴走してくれた感謝」を言葉にしているのを聞いて、神さまから与えられた「走るという賜物」を誰かと伴走するために用いている人たちのすがすがしい姿とそこから広がる笑顔の輪を思い浮かべた。
今年の夏、あけぼの幼稚園の年長さんのサマーフェスティバル「わたしたちは神さまのたからもの」でこんな話をさせてもらった。「神さまは一人ひとりに素敵なたからものを与えてくださっている。僕たちがそのたからものを自分のためだけに使うのではなく、誰かと一緒に生きるために使うことを神さまは望んでおられるし、その時、みんなの間に笑顔があふれるんだよ」と。
「わたしたちは神の作品であって、良い行いをするように、キリスト・イエスにあって造られたのである」（エペソ2・10口語訳）神さまの作品として生きる／生かされる喜びを、誰かと分かち合う私たちであれますように。