巻頭言「ただ一つの慰め」加藤 誠

 先週から成人科に「ハイデルベルク信仰問答を学ぶ」クラスがスタートしました(月一回)。「信仰問答(カテキズム)」は、聖書の信仰を学びやすいように「問いと答え」の形でまとめたものです。「ハイデルベルク信仰問答」(一五六三年)は宗教改革期に誕生した最も美しい「信仰問答」とも言われて、改革長老派の教会で今も用いられています。バプテストは「各人の自由」を尊重するので、信仰問答を「教科書」として用いることはしませんが、一人ひとりが聖書に深く親しむための「案内役」になることものだと思います。

 「ハイデルベルク信仰問答」は次のような問いと答えから始まっています。

 問1 生きるにも死ぬにも、あなたのただ一つの慰めは何ですか。

 答  わたしがわたし自身のものではなく、

    体も魂も、生きるにも死ぬにも、

    わたしの真実な救い主

    イエス・キリストのものであることです。

 わたしにとっては何が「慰め」になっているでしょうか。もし「ただ一つの慰め」を問われたら、なんと答えますか?

 「わたしがわたし自身のものではない」とは、不思議な言葉です。どうして「わたしはわたし自身のもの」ではないのでしょうか?

 そして「わたしがイエス・キリストのもの」であるとは、どういうことを意味するのでしょう? それらの問いを手がかりに、聖書が私たちに語りかけている「福音」を聴いていきたいのです。