「ペンテコステ」は、イースターから五十日目、七週目の日曜日。弟子たちに聖霊が注がれ、人びとの前で主イエスの福音を語り始めた出来事をいいます。
「エルサレムから離れず、父の約束されたものを待ちなさい」。
そう語られて天に昇られた主イエスの約束を握りしめて、弟子たちは一つの部屋に集まり、来る日も来る日も祈り続けていました。
彼らの周囲には、今なお主イエスに敵対する人々があふれていました。
「こんな人々の憎悪に囲まれて、自分たちにいったい何ができるというのだろう。主イエスが天に戻られてしまった今、どうしたらいいんだ?」。
考えれば考えるほど不安が大きく膨らむ中、弟子たちにできることは祈ることしか、ありませんでした。
「主よ、あなたが約束してくださったものとは、いったい何ですか?」
「こんな小さな私たちに、あなたは何を期待されているのですか?」
祈るほか何もできない弟子たちが一つになり、主の前に祈り求めている時に、不思議なペンテコステの出来事が起こったのです。
今年のペンテコステ委員会は「聖霊ってなんだろう?」「よく分からないね」という会話から始まりました。「分からない」と口に出すことは大切なことです。それぞれ聖書を開きました。「聖霊」と書かれた箇所をたくさん読みました。その中で「求めなさい!」というルカ十一章の御言葉が示されたのです。
「私たちはほんとうに求めているだろうか?」。自分の貧しさと非力を認め、神の前に、真剣に、必死に、求め続けているだろうか?
「求めなさい!」という主イエスの言葉に励まされ、ひたすら祈り続けた弟子たちの姿を今朝、共に覚えたいのです。