違うから、ひとつ   加藤 誠

―教会のミッション(使命と働き)③共同体づくり―

 5月19日、連盟事務所で開かれた国際ミッション・ボランティア報告会で、中国に約三年間、日本人集会を通しての伝道に派遣された宮井武憲さんの報告を聞きました。伝道活動が厳しく制限され、公安当局から監視されている国で「小さいながら毎週主日礼拝をささげ、子どもから大人まで135名に福音を紹介できた。復活の主がわたしたちに先だって確かにそこに働いておられた」という力強い証しでした。報告の中で紹介された一人の方の「この礼拝がなければ、自分は生きていられなかったと思う」という証言が印象的でした。どんなに小さくても、礼拝する群れが起こされ続けるところで、神の御言葉は「わたしたちを生かす命」として豊かに分かち合われていくのです。

 一人でも礼拝はできます。が、「共に」礼拝にあずかることがどれほどわたしたちを豊かにし、励ましを与えてくれることか。礼拝をささげるための「共同体」。それがキリストの教会です。「この礼拝に神さまが招いてくださった。この交わりに加えられてうれしい!」という言葉が、一人ひとりの口から発せられる「共同体」でありたいと願います。

 けれども、それぞれユニークで個性豊かな一人ひとりが「共同体」になっていく道は容易ではありません。「ひとつ」になろうとすればするほど、互いにぶつかり、すれ違い、傷つかざるを得ない場面があります。「わたしとあの人との間にあなたが働いてください」とキリストの名で祈る、この一点において「ひとつ」とされるほかない。それがキリストの教会です。「同じだから、ひとつ」ではなく「違うから、ひとつ」、「弱く見える部分こそ必要」(第一コリント12・12以下)という福音の宣言のもとに、繰り返し建てられていきたいのです。