世にあって、星のように   加藤 誠 

今からちょうど七十年前、一九四九年六月十一日に大井バプテスト教会付属あけぼの幼稚園は誕生しました。神の豊かな恵みの先立ちをいただいて、たくさんの子どもたちの成長を見守りながら、今日まで幼稚園の歩みが守られてきたことを心から感謝します。

あけぼの幼稚園の二十周年誌を開くと、その最初の頁から初代園長の大谷賢二先生の熱くほとばしる思いがあふれています。

「思えば戦後の日本、殊に東京は今の人には想像も出来ない様な空襲で灰燼と化した荒地であった。住まいも衣類も失い、食物もない中で遊んでいる子供等を見る時にこれを放置する事は出来なくなった。…要はこれらの子供達に一日も早く世界に通ずる真理に立ち、その平和を造る清く正しい教育をしなければならない事であった。幼児の教育こそ新しい日本再興の基であると信じたからであった。…無料借家(平野宅)の一室の他は何の設備もなく、あるのは幼児教育の責任と使命と心だけであった。」

 

ここで大谷賢二先生が言われている「世界に通ずる真理」とは何でしょうか。わたしは「世界を平和に導く真理」と受け止めます。誰の心にも「平和」を願う祈りはある。けれども同時に「平和」を阻むエゴも私たちの内に強い。「これが正義だ。自分が正しい!」と自己を絶対化する思いも「平和」を壊すもの。聖書はそれらを神の御心から外れた「罪」と呼び、その「罪」を自覚させ、「罪」から神のもとに立ち帰らせる「神の愛」「真理」が、イエス・キリストにおいてはっきりとあらわされたと信じるのです。今朝も「世界に通ずる真理」を聖書から聴いていきましょう。