恵み深い主に感謝    加藤 誠

アメリカの南部バプテスト連盟の派遣宣教師として一九六一年に来日したレニー・サンダーソン先生(前大井バプテスト教会音楽主事・あけぼの幼稚園英語教師)は一九六九年五月一三日に、大谷恵護先生(前大井バプテスト教会主任牧師・元あけぼの幼稚園園長)と結婚されました。その日から明日でちょうど五十年。お二人は金婚式を迎えられます。

お二人にお話をうかがうと、当時国際結婚にはさまざまな戦いがあったようです。敗戦を経験した日本人のアメリカ人に対する感情は複雑なものがあり、憧れをいだく一方で「外人」への偏見や反感が根強くありました。アメリカでは我が町から宣教師が出ることは誇りだったようですが、レニー先生の故郷に恵護先生が挨拶に行くと、「レニーはLittle Dirty Jap(チビで汚い日本人野郎)と結婚した」という言葉が交わされていました。しかし牧師であったレニー先生のお父さんは「我が家に牧師の家庭が生まれることをずっと祈り願っていた」と祝福し、お母さんは「もうレニーは一人ではない。安心!」と喜び、レニー先生の夫を受け入れたそうです。

外国伝道局には「宣教師は現地人と結婚できない」という決まりがあり、それを破ったレニー先生は宣教師を辞任しました。結婚後、さまざまな人から「アメリカ人の牧師夫人が日本の教会を牧会できるか?」という疑問も向けられたそうです。しかし、これらすべてを超えて長年にわたる大井バプテスト教会の人々との主イエスへの信仰、お互いの信頼と理解、そして忍耐がありました。

神さまを愛し、日本を愛し、大井教会を愛したレニー先生を神さまは祝福され、大井バプテスト教会の私たちはご夫妻を通して実に豊かなものをいただいてくることがゆるされました。この喜びの節目の時に改めて、大谷恵護先生、レニー先生ご夫妻の歩みに神さまがあらわされた慈しみと恵みの御業を覚えて、深く感謝をささげたいのです。