「キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造された者なのです。…神は和解のために奉仕する任務をわたしたちにお授けになりました」（第二コリント５・17～18）。
キリストに結ばれた者は新しく創りかえられ、キリストが起こされる和解と平和の働きに招き入れられます。この９月、ルワンダの「和解の現場を訪ねるツアー」に参加した平野健治神学生の言葉を紹介します。
『先日、私がある方に謝罪をしなければいけない出来事がありました。ルワンダの和解の現場を見た後に、自分の和解を迫られたのです。以前の私であれば謝罪に対して、どこか「とりあえず謝っておこう」という気持ちがあったことに気づかされます。しかし、帰ってきてから私の口から出る謝罪の言葉の重みは違います。それは「とりあえずの和解」ではありません。相手の傷の回復、相手との関係の回復、新しい関係に心から期待する謝罪、心の奥から湧いてくる謝罪です。私は先日、初めてそのような謝罪をすることができました。
また帰国後に、ある方から謝罪を受ける出来事もありました。私はその言葉を聴いたとき、なぜかとても「うれしい」と喜びの感情を持ちました。私はその謝罪を「とりあえず受け取った」のではなく、謝罪を心の真ん中で受け止めて、自分の傷の回復と、相手との関係の回復、新しい関係に相手が期待していることを感じながら、その謝罪を受け止めることができました。…この帰国後の体験は、今まで自分がいかに謝罪すること、和解することの力に信頼していなかったかを気づかせてくれました。表面的な「和解」とは違う、もっと相手との新しい関係を願った謝罪と和解があると知ったのです。その力にもっと期待したい。そう思うように変えられています。』（神学生活動報告第20号）