1931年伝道開始、日本バプテスト連盟に加盟するプロテスタント教会です

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あけぼの幼稚園
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巻頭言『「小さな種火」を』小貫雅夫(日本聖公会元司祭)

 私は牧師家庭に生まれ、少年時代を満州で過ごしました。一九四五年五月、中学生の私たちに勤労奉仕の命令が降り、ソ連国境付近に行かされました。「おとり兵」です。おかしいとは思いませんでした。「一身を投げ打ちお国のために尽くす」と教育されてきたのですから。砲弾が飛ぶ昼間を避け、夜にひたすら逃げましたが、ソ連兵に追いつかれ捕虜になりました。ひもじくてバッタを食べたこともありました。父が同じく牧師で、隠れて一緒に「主我を愛す」を歌った石井君は、たった一人で死ななければならなかった。戦争とはこういうものです。

 釈放されて帰国後、「人間について勉強をしたい」と心理学を学びました。しかし心理学では人間は救われないと思ってね。聖公会神学院に行くことにしたんです。

 イエス様は「平和をつくり出す人たちは、さいわい」とおっしゃった。平和は「つくり出す」もの。神様に愛されているという関係をつくり出すことです。だから私たちは「小さな種火」を持ち続けなければいけない。どれだけ周りに影響を与えられるかではなく、燃やし続けることです。教会がその役割を放棄した時、教会で無くなる。この世に対して神様の言葉を語るとはそういうことです。自分たちの安心立命のためではないのです。戦時中、日本の教会はその役割を果たせなかった。

 私も牧師としていろいろ間違いました。それを悔い改めながら、神様はこんな過ち多き者をも用いてくださると信じているのです。その神様の思いに応えていかなくちゃならない。自分を省みて恥ずかしいと思いながら、「それでも」という思いがあるからです。(キリスト放送局FEBCニュース8月号より)

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