御名をあがめさせたまえ   加藤 誠

私たちの教会に信仰と人生の先輩がたが大勢与えられており、その交わりを通して私たちは貴重な学びをたくさんいただいていることを感謝します。
肉体をもっている以上、私たちは加齢による衰えを避けることはできませんが、信仰においては日々新たにされる希望を聖書からいただきます。現役の時のような仕事はできなくなったとしてお、ほんとうに大切なことを見抜く洞察と神さまに向かうシンプルな信仰が深められていくのです。またたとえ、寝たきりの状態で自ら祈ることすらできなくなったとしても、実は私たちは自力で自らを救おうとする「罪」の状態から、ただ神の憐みと恵みに自分をゆだねる「救い」に立ち返らされ、「神の御名をあがめるもの」とされることを覚えたいのです。ですから信仰者にとって老いや衰えは、神の恵みに向き直されていく道なのです。

主イエスは「主の祈り」の一番最初の大切な祈りとして「御名をあがめさせたまえ」と祈ることを教えられました。「御名」とは「神の存在、働き」のことですから、「あなたが今生きて働いておられることがはっきり示されて、あなたを賛美する者とさせてください。この世界にあなたへの賛美があふれますように」という祈りです。この祈りを、日々祈りたい。そして、人生の最期をこの祈りで締めくくることができたらと願うものです。
ルカによる福音書2章には幼子イエスに出会って神を賛美している二人の老人シメオンとアンナが描かれています。二人の輝くような満面の笑顔と喜びの賛美の声が今にも飛び出してきそうな場面です。今朝の敬老感謝の礼拝で、この二人の神賛美をご一緒に受けたいのです。