6月23日は沖縄慰霊の日。日本バプテスト女性連合はこの日を「沖縄命どぅ宝の日」として、平和のために「知り、祈り、共有する日」としています。
沖縄バプテスト連盟の野原ケイ子さんは久米島出身の方ですが、久米島では日本の無条件降伏後も、日本兵が乳児を含む子どもや市民を次々に銃剣で殺害する惨禍が続いた事実を受けて、野原さんはこう語っています。
「戦争の恐ろしさとは、人間を異常な行動へと駆り立てることです。他者を憐れむ心、命を慈しむ思い等、神が与えてくださった美しい心が存在する余地を与えられません。国家や個人が自分の立場で正義を語り、自分の命を守るためには、たとえ幼児の命を犠牲にする行為であれ手段をいとわない。これが戦争によって変えられていく人間の姿ではないでしょうか。この久米島の惨劇は、神から離れることによってすべての人間が陥る自己中心性を、私たちに突きつける出来事だと思います。」「私たちうちなんちゅ(沖縄人)が戦争を語る時、それは決して日本やアメリカへの恨み言や憎しみから語るのではありません。ただ憎しみと恐怖の中で、人間は誰でもこのように恐ろしい加害者になりうるという危険性を、沖縄戦を通して皆さんに認識していただきたいのです。」「平和に思える日常生活の中でも、自己中心的な生き方をするのなら、私たちの人生も、あの久米島の虐殺事件の延長線上にあると思うと、身が震えます。」「事件を他人事として批判するだけで終わらせず、自分自身の中に住む罪の性質に気づき、日々、主の前に畏れつつ、心を守っていただくことが大事なのではないかと思うのです。」「平和は、政治によって実現するのではなく、私たちの心の中にまず実現されなければならないと思います」。(女性連合機関誌『世の光』2008年7月号「沖縄・久米島の記憶より世界を考える」より)