巻頭言『数えてみよ、主の恵み』大谷レニー

 最近、私は“Count Your Blessings”(恵みを数えてみよ)という雑誌記事を読みました。家族が夕食のテーブルに集まって頭を垂れて祈っている白黒の写真があり、それを見たとき目頭が熱くなりました。写真の中の小さな子ども(その子一人だけが目を開けていました)があたかも当時の自分のように思えたのです。その記事は短い祈り「主よ、これらとその他の多くの恵みに感謝できるようお助けください。この食事が私たちの身体の栄養となり、私たちの身体が主に仕えるものとなるように祝福してください」で始まっていました。私は「このお祈り知ってる!」と思いました。このお祈りは私の父がいつも食事の前に祈っていたものです。このお祈りは父のオリジナルだと思っていました。子どもの頃、「神さまも覚えていてご存じなのに、どうして同じお祈りを毎回するのか」と不思議でした。でも私の両親は感謝するように絶えず私たちに教え、特に感謝祭の時には「数えよ主の恵み、数えよ一つずつ、数えてみよ主の恵み」(『新生讃美歌』103番)と歌って神さまに感謝しました。あとでこのお祈りはアメリカの最初の感謝祭の日以降(もしくはそれ以前から)繰り返し祈られているものだと知りました。今、このお祈りをしてみると、もうこの世にはいない人びとのことを想い出し、「私たちに与えられた健康や食事、そして食事の準備をしてくれた人に感謝し、家族一人ひとりに感謝します。そして私たちは食べ物がない世界の子どもたちを覚えます。アーメン」と祈ります。

 一一月二八日からIJCSでは「アドヴェント」が始まります。昔の預言者たちのように私たちも救い主の到来を待ち望みます。世界中の人びとと一緒にアドヴェントを祝い、「もろびとこぞりて、いざ迎えよ!」と歌います。待ち望みつつ、しばらく立ち止まって、今日与えられ、これからも与えられる祝福の雨に感謝しましょう。(『レニー・ノート』#33 二〇一〇年一一月二七日より)