巻頭言『「クリスマス」はいらない  ~希望の灯~』加藤 誠

 なぜクリスマスを祝うのでしょうか?

 アドベント(待降節)を私たちはどのように過ごすのでしょうか。

 もし「カレンダーをめくったら今年も十二月になったから、そろそろクリスマスの準備をしないと…」とか、「お正月を迎える前にクリスマスがないと物足りない」…程度の理由なら、「クリスマス」はいらない。

 街中に「ジングルベル」や「ホワイトクリスマス」の曲が流れ、華やかな飾り付けに気分が明るくなり、教会でも「きよしこの夜」を歌ってもっと気持ちを盛り上げよう…程度の理由なら、「クリスマス」はいらない。

「教会がクリスマスをしないわけにはいかない。大変だけど頑張って準備しよう」といった義務感で取り組むような「クリスマスはいらない。

 そのためにイエス・キリストが生まれたのではないからです。

 旧約聖書の民は、救い主の誕生を日々、切実に待ち望みました。

「主よ、今日、私たちのところに来てください!」、「この地上を覆っている悪の中から私たちを救い出してください!」と必死に祈りをささげたのです。

「もういくつ寝るとお正月…」的なアドベントは、そこにはありません。

 私たちは、なぜクリスマスを祝うのでしょうか。

 私たちは、今日、ほんとうに救い主の誕生を必要としているのでしょうか。

 二〇二三年の世界を生きる一人として、聖書にクリスマスの意味を問い、自分の言葉でクリスマスを人びとに語っていくアドベントでありたいと願います。