主イエスの復活から五十日目のペンテコステ。聖霊を注がれた弟子たちは十字架の主の福音を告げ知らせる「教会」として立てられました。
使徒言行録は、十字架の主の愛の息吹(聖霊)が小さな弟子たちを新たにつくりかえ、すべての民に神の救いを伝える使命に立てていった証言集であり、聖霊の御業の不思議で満ちています。聖霊は、暗い部屋の中に閉じこもっていた弱虫(ペトロたち)を変え、主イエスへの憎しみと怒りに燃えていた男(パウロ)を福音の器に変えて、ローマ皇帝のもとに福音を届けていきます。聖霊は弟子たちを「旧約のユダヤ民族中心主義」から解き放ち、「すべての民を救う神の希望のビジョン」に生きる群れに変えたのでした。
十字架の主の愛の息吹(聖霊)は、今日も教会を新たに造りかえ続ける炎の息吹です。
今の世界は、莫大な富や武器をもつ国のリーダーたちが、自国の安全と利益のために他国への侵略を正当化し、「敵」を罵倒する言葉であふれ、分断と対立がますます深まっています。しかしそのような世界にあって、主イエスは今日も十字架に御自身の体を引き裂かれながらも私たちのために執り成し、私たちを神の真実の愛につなげ続けておられます。
その十字架の主は、今、私たち教会に問いかけています。富と武力を礼賛する人の声に埋もれて沈黙し、分断と対立を肯定していくのか。それとも、十字架の主の愛の息吹を受けて、自分の足で立ち上がり、主の愛と和解、平和の働きに参与していくのか。このとき聖書から「すべての民を救う神の希望のビジョン」を受け取り、一人ひとりの祈りを集めていきたいのです。