巻頭言「神のイメージを受けていく」菊地るみ子

 私はアメリカ・カナダ賛美歌学会100周年大会出席のために、七月十六日、日本を発ち、十七日から二十一日までワシントンD.C.のカトリック大学で過ごしました。今回、日本賛美歌学会員の江原美歌子さんのお誘いを受け、江原都代子さんと、その他四名の学会員の先生方に同行させていただきました。

 大会は多様な宗派、人種、セクシャリティー、言語を持つ人々、約三百名が集いました。終始、さまざまな礼拝形式で賛美歌を歌い、今、コロナ危機の中、私たち教会、世界の課題を共に考え、礼拝、賛美歌を研究し、福音をどのように分かち合うのか。じっくり考える時となりました。

 テーマは「神が想い描かれる世界を歌え」。ハンドブックの表紙にはドイツ語、中国語、スペイン語、日本語、ポルトガル語、英語でテーマが書かれています。

毎朝午前中は賛美タイム、礼拝、全員出席の講演。ランチタイムの後、午後は自由に選べる分科会(九個並列)が一時間半ごとに組まれていました。

日本賛美歌学会担当の分科会が初日にあり、学会がこのために編纂した讃美歌集を紹介し、実際に歌いました。日本のクリスチャン、教会が向き合うべき、また社会で起きている課題を聖書に聴き、歌詞に現し、全く新しい賛美歌や、「荒城の月」のメロディーに歌詞をつけたものなど、バプテストからも六曲収録されています。すべて、英訳または、スペイン語訳がつけられました。

 今こそ私たち教会は、「神の思い描かれる世界」を祈り求め、生きづらさを感じている友に「あなたは愛されている」と伝えたい。現実の中で聖書をどう生きるのか問われ続けたい。変わらないものを残し大切にしながら、変化を受け入れ、多様を認める。コロナ危機のダメージを「神の思い描かれる」ように回復したい。そう祈らずにはおられないのです。