1931年伝道開始、日本バプテスト連盟に加盟するプロテスタント教会です

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あけぼの幼稚園
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巻頭言「石が叫ぶ/石は聞いている」加藤 誠

 ルカ十九章のエルサレム入城の場面で、弟子たちが「自分たちの見たあらゆる奇跡のことで喜び」、主イエスを「王」に見立てて神を賛美しました。

 主イエスはその賛美をどう聞かれたのでしょう。というのも主イエスは「奇跡的力をふるう王」ではなく「十字架に自らをささげる僕」として、また「力による平和」ではなく「仕える平和」を実現する方として来られたからです。

 一方、ファリサイ派が「弟子たちを叱りなさい」(直訳)と求めますと、主イエスは「この人たちが黙れば、石が叫びだす」と答えられました。

 この場合の「石の叫び」とはどのような叫びでしょうか。

 ふつう「石が叫ぶわけがない」のです。しかし聖書では、石はちゃんと聞いています(ヨシュア記24:27)。また私たちが「誰も見ていない」と神をあなどり悪事に手を染めるとき、石は神に向かって叫びます(創世記4:10参照)。「石の叫び」は、不当にも声を圧殺された人びとの叫びや告発であり、声なき声であり、権力者がその声をもみ消そうとしても、神がしっかりと聞いておられる叫び、それが「石の叫び」です。

 

 そのことを思い巡らす時、ここで問われているのはファリサイ派の人たちだけでなく、わたし自身のことではないかと示されます。

 神へのあなどりがわたしの中にあります。「誰も見ていない」という誘惑に弱い自分がいます。また、力の弱い者の声を力で抑え込もうとするところがあります。

 そのわたしに主イエスは十字架を指し示し、十字架から生まれる平和こそが私たちを救う道であることを教えてくださるのです。

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