1931年伝道開始、日本バプテスト連盟に加盟するプロテスタント教会です

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あけぼの幼稚園
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巻頭言「本当の私になるために」塩谷直也(青山学院大学 宗教主任)

 キリスト教主義の大学に在学中、必修の「キリスト教概論」が退屈で授業に出なくなり、単位を落とし再履修となりました。つまり強制的に聖書の前に再び連れ戻されたのです。それは、勉強を嫌がる子どもが、忍耐強い先生によって机の前に連れ戻される姿に似ています。ところが二度目の学びによって、聖書の面白さに気づきました(やはり聖書に出会うには「時」が必要なのですね)。とりわけ強い自分を演じ続けていた私に「わたしは母の胎内に造る前からあなたを知っていた」(エレミヤ書1章4節)との神の声はこたえました。「もう偽らなくていい。本来の私となるために、私を造ってくださった方のもとへ帰ろう」と自然に思えました。私にとっての聖書の学びとは、強い自分に転生するための訓練ではありません。それは私がより「私らしい私」に戻る、「天の故郷」(ヘブライ11章16節)へ帰省する旅です。そしてその旅の列車が教会でした。

 もちろん教会は人間の集う場所。罪と恥にまみれた問題が頻発します。生身の人間がぶつかりますから傷も負います。しかしそれでもその旅の途上で聖書が語ります。「あなたのその傷すらも神は良いものに変え、あなたをよりあなたらしく磨き上げる」と。「清く正しく美しい」人にとって教会はいささか乗り心地の悪い列車でしょう。しかし周囲の期待に応えすぎて自分を見失い、虚飾の臭気に耐えられなくなった人々には、不思議な指定席を提供する乗り物です。そんな思いで私は教会に通います。重い荷物は網棚にのせ、車窓からの景色を眺めて。

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