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巻頭言「フランソワーズさんの赦し ~ゆるしと希望の灯~」佐々木 恵(ルワンダ)

 三十一年前のジェノサイド直後のフランソワーズさんは、加害者側の人を見ると悪態をつき、刑務所夫に差し入れを持参する女性の弁当を地面に払い落とし、加害者の子供には石を投げつけていたそうです。彼女は人々から悪魔呼ばわりされるほど加害者への憎しみに満ちていました。今でも彼女はジェノサイドの時期になると頭が痛くなり後遺症の腰痛に悩まさます。しかし、今、その彼女の笑顔は本当に穏やかで美しいのです。

 今年の月、ウムチョ・ニャンザ(ニャンザの光)毎年恒例のジェノサイド追悼集会の際、参加した学生から次のような質問がありました。

「私の両親は二人とも虐殺生存者です。ウムチョ・ニャンザの方々の働きを通して和解は可能だと思える一方、両親からこれまで聞いてきたことを考えると、実際には加害者との和解は無理だと思えるのです。」

 それを聞いたフランソワーズさんは、学生二人を前に呼び出して背中合わせに立たせ、二人のお腹の辺りをスカーフで結びあわせた上で、一方の学生に前に進むように指示しました。もちろんなかなか前に進めません。彼女はこれが「赦せないでいる状況だ」というのです。どこに行くにも何をするにも、赦せない相手がその人自身について周り、そのことが重荷になっているのだと。だから、自らこの二人を縛り付けているものを解いて自由になることが大切で、それは相手が謝罪しなくてもできることなのだと説明してくださいました。

 フランソワーズさん自身、自に絡みつくような過去の苦しみを自ら解きほどいて自由になったのでしょう。どのようにして解きほどく決心をして、どのようにそができたのか、私にはわかりませんが、きっと学びと祈りと神様への信頼によっていると思うのです。みなさんはどう思われるでしょうか?

※佐々木恵さんは、日本バプテスト連盟国際ミッションボランティアの佐々木和之さん(夫)と共に二十年前からルワンダで和解と平和の働きに仕えておられます。

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