巻頭言「アジアの一員であることを誇りに思い 伊藤 世里江」

 シンガポールにアジア・ミッション・コーディネーター(AMC)、そして、IJCS牧師として遣わされて以来、大井教会をはじめ、連盟諸教会、女性連合のみなさまの祈りと支えに感謝は尽きません。

 IJCSの牧師としては、初めて聖書に接する方々が何人も信仰に導かれ、新しい人生を始めることができました。または福音に接して日本に戻っていかれました。このことに勝る喜びはありません。小さかった子どもたちが今は賛美リーダーをし、生まれたばかりだった子がバプテスマ準備をしています。

 AMCとしては、ミャンマー、インドネシア、カンボジア、韓国、マレーシアなどの国で、アジアバプテスト関係の集会に参加し、分科会を担当したり、証しをさせていただく機会が与えられました。

 ミャンマーのクーデターとその後の軍の暴力に関しては、心痛むばかりです。一方、そのような厳しい状況にもかかわらず、たくましく信仰生活を続け、果敢に戦い続けるミャンマーのクリスチャンの骨太の信仰に敬服するばかりです。 困難な状況の中で信仰生活を守っているアジアのクリスチャンたちは強いです。

 日本のキリスト教会は、少数派で経済力もありません。他のアジアのキリスト教会の方がよほど伝道スピリットに満ち、他のアジアの国々に宣教師を送っています。そして、災害も多い日本のためにみなさんが祈ってくれています。祈りでつながるアジアのバプテストのネットワークを頼もしく思います。

 大切なことは、日本の私たちがアジアの国々に関心を持ち、戦争の責任も覚えつつ一緒に主を賛美し、福音を分かち合いたいと願っていることを伝えることです。彩り豊かなアジアの一員であることを誇りに思い、シンガポールの地で、今しばらくアジアの姉妹兄弟と共に、主イエスの業に期待して、福音に共にあずかっていきたいと願っています。