先日六月二八日、安全確保のため工事現場を囲っていた仮囲いが撤去されて、新しい礼拝堂の全貌が見えるようになりました。初夏の陽射しに真っ白な壁がまぶしく輝いています。お隣りのビルの方が「きれいな礼拝堂が建ちましたね!」と喜んでくださり、毎朝登園してくる幼稚園の保護者の方々も「いよいよですね。礼拝が楽しみです!」と声をかけてくださいます。
幼稚園教諭が「礼拝堂の完成が見え始めた数週間前から、お弁当の時の子どもたちのお祈りが変わってきました」と教えてくれました。これまでは津波で流された人やスプーンやフォークのない人のことを祈っていた子どもたちが「神さま、みんなの礼拝堂がもうすぐできます。あそこでたくさんの人が礼拝しますように!」とか、「礼拝堂をまもってください!」、「礼拝堂が礼拝堂になりますように!」というお祈りが聞かれるようになったと。
新しい礼拝堂のことを祈ってきたのは、教会員だけではない。地域の方々が、またあけぼの幼稚園の保護者や子どもたちが、新礼拝堂の工事を見守り、その完成を待ち望んで祈ってきてくださったことを深く知らされます。
ちょうど一年前の七月。コロナ禍にあって先のことがまったく見通せず、追い詰められ、「いったいどうしたらよいのか」、私たちは大きな戸惑いと不安と疲れの中にありました。自分たちの力では決断しきれない「小さくされた者たち」を、しかし主なる神は大いに憐れんでくださり、神ご自身の計画に向けて私たちの背中を押してくださいました。その大いなる憐れみを大切に受け取りながら、私たちも子どもたちのように「礼拝堂が礼拝堂になりますように!」と神に向かうまっすぐな祈りをささげていきたいのです。