クリスマスのチャレンジ   加藤 誠

先主日から始まったアドベントは、キリストによってもたらされた「希望」「平和」「喜び」「愛」を象徴する四つのローソクに、毎週一本ずつ点火して、クリスマスに向かう祈りを整えていきますが、今年は四人のキャンドルボーイズがその点火の奉仕を担ってくれます。

約十年前、アドベントにブラジルの教会を訪ねた時のこと。礼拝の中で子どもたちがクリスマスのミュージカルを演じてくれたのですが、印象的だったのは最後に子どもたちが「キリストを通して神から受けた贈り物」を象徴的にあらわす六つの箱を次々に頭上に掲げた場面です。いずれもクリスマスらしい包装紙に包まれ、それぞれ「愛」・「信仰」・「希望」・「喜び」・「交わり」・「平和」と書かれた札がついていました。会衆席の人々は、それら「神からの贈り物」に応答し、あらかじめ準備してきた思い思いのプレゼントを携えて前に進み出ていきました(それらの捧げものは貧しい人々に届けられるとのことでした)。

わたしはその日、会衆席の一人として「今日、わたし自身は何をキリストにささげる準備をして礼拝に参加しただろうか」と改めて問われました。クリスマスは、神がわたしたちに届けてくださった最大の贈り物であるキリストを感謝し、一人ひとりが神への応答をささげていく時です。

キリストは馬小屋に生まれ、十字架上にご自分をささげ、世界のすべての者に注がれている神の愛をあらわされました。その神の愛に結びつけられて、わたしたちは互いに愛し合う関係に招かれます。それは隣人と共にあろうとし、自分を差し出していく関係です。今年のクリスマス、わたしはどのような応答を携えて、神と隣人の前に進み出る備えができているでしょうか。一人ひとりが神の愛のチャレンジに応答していくクリスマスとなりますように。