神と共に生きる道   加藤 誠

「イエスは神に造られた本来の人間らしさ(人間性)をフルに実現した人でした。だから、彼の生きた姿(生きざま)は、わたしたちみんなに与えられている人間らしさを呼び覚まし、彼のように生きたくてたまらなくさせるのです」(渡辺英俊『わたしの信仰Q&A』)。

 

わたしたち人間は神の語りかけに応答して生きるものとして造られました。けれども、さまざまな矛盾と不条理が満ちている世界のなかで、神の愛と正義を信じて真面目に生きようとすればするほど疑問が湧き、絶望させられることのなんと多いことでしょうか。

しかし、そのようなわたしたちの目の前に、主イエスは「神と共に生きる道」を見せてくださいました。この主イエスに出会う時、わたしたちの中に神の息吹が吹き込まれ、真理の光が照らし出されます。神の語りかけに応答して生きていきたいという願いが湧き起こります。この主イエスこそ、道であり、真理であり、命だからです(ヨハネ14・6)。また、わたしたちが神を見失い、迷い、もがき苦しむ時、主イエスもその荒れ野の道行きを共に歩んでくださり、わたしたちの方では神を見出せない道も、神がわたしたちを背負って「神と共に生きる道」となることを主イエスは教えてくださいました。

 

「うろたえてはならない。…あなたたちに先だって進まれる神、主御自身が…あなたたちのために戦われる。また荒れ野でも、あなたたちがこの所に来るまでにたどった旅の間中も、あなたの神、主は父が子を背負うように、あなたを背負ってくださったのを見た」(申命記1・29~31)。