教会は、神にあって   加藤 誠

わたしは教会に夢を持っています。

教会は、さまざま課題を抱えた人間の集まりですから、決して理想の集団ではありません。他者の言葉や行動に傷つき、心が折れそうになることも起ります。しかも一人ひとりが教会の働きに熱くなればなるほど、そういう場面が増えるのです。けれども、人間の集まりである教会がイエス・キリストの「福音」によりどころを求めて集い続ける限り、その「福音」が教会を建て続けてくれる。そう確信するゆえに、わたしは教会に夢を持つのです。

「福音」は、わたしたちを神の愛につなげます。わたしたちを神のゆるし、忍耐、希望に結びつけ、わたしたちが歩むべき道を照らし出します。「福音」は、「自分のことで精いっぱいです」という者を、「他者に関わる働き」に、空爆とテロの連鎖の悲劇をとめられない世界において「キリストの平和をつくりだす働き」に導き出します。特に大井教会はあけぼの幼稚園を通して、たくさんの子どもたちと関わる大切な働きに呼び出されています。赤ん坊から年齢を重ねた人生の大先輩まで。これだけ多様な年齢層が共に集いあうコミュニティが他にあるでしょうか。「福音」を真ん中にして、互いが成長し合う交わりを創り出していきたいのです。そのために働き人が必要とされています。一人ひとりの祈りと応答が求められています。

 

ある子どもが父親に尋ねました。「教会はどうして神さまの家なの。神さまは天にいるんじゃないの」。すると父親はにこやかに答えました。「そうさ、神さまのお住まいは天だけど、お仕事は下でなさるんだよ」。教会は神のもの。神にあってみんなのもの。それゆえ教会は、あなたのものでもあるのです。