待ちわびし日   ~希望の灯~   加藤 誠

 教会の暦では、今日からクリスマスを待ち望むアドベント(待降節)に入ります。この時期、あけぼの幼稚園では毎日、年長さんたちが歌うページェント(降誕劇)の賛美歌が明るく響いています。小学科のあるクラスではアドベントカレンダーを作っていました。毎日一つずつ小さな窓を開けてクリスマスに向かう一日一日を大切に覚えて過ごすのです。

 

『新生讃美歌』の一九五番に「待ちわびし日」という賛美歌があります。今から三十二年前、北九州在住の天野時生という二十歳の青年が作った曲です。当時彼はクリスチャンの経営する喫茶店で出会った在日大韓教会の青年たちと一緒にクリスマスコンサートをやろうと準備している最中に、繁華街を歩きながらふと詞とメロディが与えられたのだそうです。

 「待ちわびし日 静かな夜に かがやく明星 闇に勝ちて 

  世を照らせり きよきこの日 救いの主なる イエス生まれぬ」

天野さんはこう語っています。「人間が作った光はどんなに輝いていても消え去る。しかし、キリストが与える光は小さくても強く永遠にひかり続けるというメッセージを込めました」(『新生讃美歌ハンドブック』より)。

 

さて、今年のアドベント。イエス・キリストという「人間を照らす命の光」(ヨハネ1・4)をいただいた「わたし」は誰のことを想い祈りながら過ごしますか。馬小屋の飼い葉桶の中に生まれた幼子に輝く小さな灯に心を照らされて「重荷を負っている隣り人のこと」を、また「神の平和のために立てられている働き人のこと」を覚える静かな祈りの時を重ねていきたいのです。