安心して帰りなさい   加藤 誠

先週の臨時総会で「新礼拝堂建築の提案」がまた一歩具体的に前進しました。「十人が十歩先に進むよりも、百人が一歩進むこと」を選ぶバプテスト教会は、一人ひとりが自分の信仰のことがらにしていくために話し合い、祈り合う時間を必要とします。

「着工時期」と「基本コンセプト」を確認した現時点は「新礼拝堂建築」という大きな山のようやく「二合目」くらいでしょうか。「基本設計」と「予算」を具体化し、「設計事務所」と「施工業者」を選定していく作業ではこれまで以上に粘り強くお互いの言葉に聴いていく話し合いが求められますし、並行して、一人ひとりが祈りを献金にあらわしていく「信仰の取り組み」がさらに重要になります。「各自、不承不承ではなく、強制されてでもなく、こうしようと心に決めた通りに」(第二コリント9・7)ささげる献金となるために、聖書を一緒に開き、丁寧に聴いていきたいのです。

 

今朝は「サムエル記における祈りと礼拝」に聴きます。

イスラエルの指導者として重要な役割を担ったサムエル誕生のかげには、母ハンナの涙の祈りがありました(サムエル記上一章)。ハンナは夫エルカナの愛情を受けていましたが、子どもが生まれないことに加えて、もう一人の妻ペニナの不当な嫌がらせに苦しめられます。「彼女はペニナのことで苦しんだ。今度もハンナは泣いて、何も食べようとしなかった」(1・7)。しかし、悩み嘆き、涙が流される場所が神との深い対話の場となり、神への献身が深められる場に変えられていきます。「安心して帰りなさい」(1・17)。彼女の深い悩みを受け止めておられる主なる神が確かにそこに生きておられたのです。